フランス料理・フランス菓子へのこだわりは、やはりその素材選びから始まります。
良いお酒には、良いお米が必要とされる様に、料理もまた良い素材なしには完成度の高いものは、生まれません。
菓子作りもまた同様に、バター・卵・小麦粉・生クリームは勿論の事、砂糖・バニラビーンズ・アーモンド等全ての素材を吟味するところで味の良し悪しの大半が決まるのです。
たとえばお肉にそっとかけられた赤ワインソース、このソースを二人前作るのに、お鍋にハーフボトル一本分のサンテミリオンがそそがれます。
ぎりぎりまで煮詰めた所に大さじ二杯のグラス・ド・ビアンド(だし汁)が加わります。あとは、塩・こしょう。この単純明快なレシピにもサンテミリオンやメドック等、何本ものボルドーの赤が試されるのです。
フランス人ピアニストの第一人者マルク・ラフォレ氏が'93年11月に来日された時、二日間にわたりPSYCHEをご利用いただきました。ラフォレ氏曰く「来日して初めて本物の味に出会えました。」「まさしくこれがパリの味です。」と絶賛され、コンサートでの花束を自ら手渡して頂きました。その瞬間が作り手の意気・技・気迫が実を結ぶ時なのです。
おかげさまで創業33年を迎えることが出来ました。厳選された素材に化学調味料は一切使わず、鳩やエスカルゴなどの食材は週2回空輸で仕入れています。お菓子も料理も特に素材を吟味し、『体に優しい食材』にもっとも力を入れています。不要なもの極力削るということは、味にごまかしが利かないことになりますが、それぞれの食材が際立ち持ち味をストレートに引き出すことにもなります。